クラウドの最高気温積算値自動計算ツールでする気象データと野菜の生育を比較する試み

2016/09/05 2:31 に 博康増山 が投稿   [ 2016/09/05 2:34 に更新しました ]
グーグルアプリケーションの一つ、グーグルスプレッドシートには、
「Filter」と呼ばれる関数があります。

このFilter関数を用いると、ある時点からのある時点までの気温の積算値を
自動計算させるツールを作ることが出来ます。

今回はこのツールを用いて、気象庁データベースからダウンロードした気温データを自動計算し、
コマツナやキュウリの生育と比較してみました。

以下、最高気温の積算気温を「積算気温」と表記しています。
また、グラフはいずれも気象庁データベースからダウンロードしたデータを元に作成しています。
さいたま地方、最高気温積算値の推移、6月11日起点
6月11日、かわぐち菜園クラブの会員Aさんが、コマツナとキュウリの種まきを行いました。
どちらも、マルチと呼ばれる黒いポリシートを地面に張って種まきをして、
寒冷紗と言う白いネットを張って、育てました。

コマツナは、7月1日頃から収穫が可能なぐらいな大きさに生長しました。
この時点での積算気温は、681℃でした。

一方、7月3日にやはりかわぐち菜園クラブ会員Bさんが、コマツナの種まきを行いましたが、
7月23日頃、収穫適期に達していることが確認されました。
この時点での積算気温は、629℃でした。

実際には、Aさん、Bさんとも、収穫適期に来場出来ず、
Aさんは、7月31日に収穫を実施し、この時点での積算気温は、1482℃でした。
Bさんも、7月31日に収穫を実施、この時点での積算気温は、870℃でした。

また、かわぐち菜園クラブ会員Cさんは、7月17日にコマツナの種まきを行い、
積算気温675℃に到達した8月7日に収穫適期を迎えました。

実際の収穫は、8月14日に実施、この時点での積算気温は、
901℃でした。

6月まきしたAさんと、7月まきしたBさん、Cさんのコマツナの様子を比較してみると、
Aさんの小松菜は、7月1日に、
比較的市販品の小松菜に近い形状に育っていました。

収穫を実施した時点では、かなり大きく育ち過ぎていましたが、
市販品の小松菜が育ちすぎたような形状になっていました。

一方、Bさん、Cさんが種まきした小松菜は、
「収穫適期」と見られた時季、葉が淡い色をしていて、
葉数は市販品の小松菜より少なく、葉の厚みも薄いような形状でした。

Bさん、Cさんが育てた小松菜については、
これ以上、育て続けると、むしろ、暑さで葉が蒸れたりして、
「ヘタった」ような状態になることを懸念して、
収穫するなら、今と言う意味で
「収穫適期」が判定されており、

必ずしも、市販品の小松菜のような状態になっていたわけではありません。

Aさんが小松菜を育てていた時季、
種まきから収穫期まで、1日平均29.6℃のペースで気温が積算されていましたが、
Bさんが小松菜を育てていた時季には、31.4℃、
Cさんが育てていた時季には32.1℃の
ペースで気温が積算されており、

より早い速度で積算気温が上昇していました。
Bさん、Cさんが育てた小松菜は葉数が増えるよりも、
一枚一枚の葉が大きくなる速度が早く、
「若葉」が大きくなったような状態で、
見かけ上、市販品程度のサイズになったものと思われます。

なお、Cさんからは、炒めて、食べてみたが、苦かったとの
報告が寄せられています。

葉の枚数や厚さはともかくとして、
Aさんの場合でも、Bさん、Cさんの場合でも、
積算温度が600℃台になった時点で、
見かけ上のサイズが、市販品の小松菜に近い大きさになった
ことは共通しています。

また、夏場は、一日に約30℃のペースで積算気温が上昇していくため、
「収穫適期」と判断された時から1週間後には、
積算気温は、800℃~900℃に達しており、
「育ち過ぎ」、「蒸れ」、「ヘタレ」等の現象が生じやすいとも考えられます。

さいたま地方、最高気温積算値の推移、7月3日起点
キュウリについて見てみると、Aさんが種まきしたキュウリは、7月1日頃から、小ヅルが伸び、
花を咲かせていることが観察されました。

実際に、収穫を始めたのは、7月31日で、この時点での積算気温は、1482℃でした。
一方、7月17日にかわぐち菜園クラブ会員のDさんが、キュウリの種まきを実施しましたが、
8月28日に花が咲いていることが観察されました。

更に、9月4日、キュウリが実っていることが観察されました。この時点での積算気温は、
1521℃でした。

Aさん、Dさんとも積算気温約1500℃付近でキュウリが実り始めた点が共通しています。


さいたま地方、最高気温積算値の推移、7月17日起点

Filter関数を用いて、日付を入力すれば、積算気温が自動計算されるツールを作っておくと、
次から次へと、種まき日や収穫日を入力して、
種まきから収穫までの積算気温、及び積算気温の一日あたり上昇ぐあいを計算させることが
できるため、
以上のような比較考察を効率よく進めていくことが出来ます。

こうした関数の活用法をIT教育のテーマとして取り上げ、
今後とも、IT教育と農業教育、環境教育の融合を進めていく取り組みを進めていきたいと思います。